日本において子牛下痢症の原因となるEimeria属病原種の簡易診断を目的としたMutiplex PCR法の開発
研究責任者 |
関 まどか 岩手大学, 農学部, 助教
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | コクシジウム症は子牛生産現場において最も重要な感染症の一つである。日本では病原性の強いEimeria bovis、E. zuerniiをはじめ、Eimeria 属原虫13種類がコクシジウム症の原因として報告されているが、遺伝子診断法が確立されていないため、原因種を正確に診断することは困難である。そこで、本研究では原因種を迅速かつ簡便に識別できるMultiplex PCR法の開発を目指した。その結果、E. bovis、E. zuerniiを含むEimeria 属原虫10種の塩基配列に基づいて設計した種特異的プライマーを用いたMultiplex PCR法の開発に成功した。さらに複数のEimeria 種が確認された野外症例の糞便サンプルについてMultiplex PCR法を適用したところ、Eimeria 属の混合感染を確認できた。今後は、のこる3種について同様に種特異的プライマーを設計することを目指すとともに、開発したMultiplex PCR法を用いた疫学調査を計画したい。
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