食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)診断ツールの開発
研究責任者 |
松尾 裕彰 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 本研究では食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)の新規診断ツールの開発を目指して、エビFDEIAの原因抗原解析を行った。2名のエビFDEIA患者血清を用いてバナメイエビ抗原を解析した結果、70 kDaおよび40 kDaの分子量を有する2種の抗原候補タンパク質を同定した。同定した抗原候補は、これまでエビアレルギーの原因抗原として報告されていない新規抗原であった。疑い例を含むエビFDEIA患者7名中3名で70 kDaの抗原候補に特異的に結合するIgEが検出されたことから、70 kDa抗原特異IgE検査はエビFDEIA患者の診断に有用な検査であると示唆された。さらに、各抗原の精製法を検討し、硫酸アンモニウム分別沈澱条件および陰イオン交換カラム条件を決定した。しかしながら、単一タンパク質として精製するまで至らなかった。したがって、予定していた精製アレルゲンを利用した診断法の作成については、本研究期間内に完了できなかった。今後、エビFDEIA患者数をさらに増やして、70 kDaおよび40 kDa抗原に対する特異IgEを評価し、本検査のエビFDEIA診断における有用性を確認し、各精製アレルゲンコンポーネントを用いた検査技術の特許を取得する予定である。
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