概要 | 材料分析において,前処理を必要としない固体試料直接分析法が求められている。そこで,レーザーアブレーションにより発生した微粒子をICP発光分析装置に直接導入する分析法に関して,分析精度「併行標準偏差」の向上を目指し,レーザーアブレーション条件の検討を行った。その結果,レーザーアブレーション条件(照射径150μm,走査速度:50μm/s,レーザー出力:50%,パルス周期:20Hz,アブレーションパターン:矩形ライン)において,併行標準偏差が小さくなることを確認した。この条件で銅合金試料を分析したところ,分析面積:1mm角,分析深さ:0.5μmで,Cd10ppm,Pb400ppm,Cr200ppm濃度レベルの分析だけでなく,主成分Cu,Zn,微量成分Fe,Ni,Snの分析も可能であった。今後は,本課題で明らかになった微小面積,浅い分析深さの利点を生かし,各種表面処理品などの局所分析の検討を進める。
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