概要 | 日本人における,トロンボモジュリン(TM)一塩基多型(SNP)のgenotype分布を明らかにし,その中で重症敗血症の転帰に関わるSNPを検索することによって,今後のTM SNPを指標とした,重症敗血症に対する個別化治療を目指すものである.まずウルム大学およびASPER Biotecs社と共同で炎症反応関連SNPチップを設計開発した.今回その搭載SNPマーカのうち,13種類のTM SNPsを同チップを用いて解析した.その結果,現時点で63例の重症敗血症患者において,2種類のSNPが,死亡率に有意に相関していることが判明した(p<0.05).今後,症例数を重ね,さらなる検討を行うことによって,TMの敗血症病態への関与を検証し,リコンビナントTMが敗血症治療薬として科学的に確固たる根拠を得,副作用を軽減したより有効な治療につながることが期待される.
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