神経変性疾患のFKBP12を利用した凝集体形成抑制による新規治療の開発
研究責任者 |
足立 弘明 名古屋大学, 医学系研究科, 特任准教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 我々は神経変性疾患の一つである球脊髄性筋萎縮症(SBMA)のトランスジェニックモデルマウスを用いて病態抑止効果のある治療法の開発を目指した。分子シャペロンの発現量が多い神経細胞ではポリグルタミン鎖の延長した変異蛋白への耐性が強く変性を起こさず、異常な蛋白質凝集体形成を分子シャペロンが抑止して病態の形成を防いでいると考えられる。SBMAのモデルマウスでは、イムノフィリンであるFKBP12の発現量が脊髄で低下しており、FKBP12高発現によりSBMAモデルマウスの脊髄で凝集体形成が促進されて、表現型が悪化した。今後は、新規イムノフィリンリガンドであるFK1706を使用して毒性のある凝集体形成を抑制し、新規治療法の開発へつなげたい。
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