一次元構造を有する窒化ケイ素フィラーを添加した高熱伝導エポキシハイブリッド材料の開発
研究責任者 |
楠瀬 尚史 香川大学, 工学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | LED基板として用いられているエポキシ樹脂の熱伝導度は0.2W/mK程度しかないため、LEDの熱劣化が深刻な問題になっている。樹脂の熱伝導を改善するためにBNやAlNフィラーの研究が進んでいるが、機械的特性や耐水性の問題があるため最善の選択とはなり得ていない。そこで本研究は、近年、177W/mKの高熱伝導焼結体が報告されたSi3N4に注目した。出発原料として、粒径の大きなシリコン粉末を用い、Si3N4への反応促進剤を添加して、高温窒素雰囲気中で熱処理を行うことにより一次元状に粒成長したSi3N4フィラーの合成を行った。得られたフィラーを60体積%添加したエポキシ樹脂は10.4W/mKの高い熱伝導度を示した。従来のBNやAlNフィラーに比べ、強度や耐水性において優れたフィラーになることが期待される。
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