無注薬電解凝集法による自然由来重金属類を含んだ建設残土の減容化技術
研究責任者 |
藤野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 土壌成分の一つであるカオリナイトはpH4未満でプラスに帯電する。また、ヒ素イオンはほぼ全てのpH領域でマイナスに帯電する。本研究は、試薬を投入せずにpHを変化させる方法として、陰極を濾紙で覆った電気分解を行い、陰極から発生する水酸基が排水中に拡散するのを抑制し、排水を酸性にした。この電気分解により、カオリナイトとヒ素が含まれる疑似排水をpH4未満にして、プラスに帯電したカオリナイトとマイナスの電荷を持つヒ素イオンを共沈させる。結果、電解を行った排水の上澄み部分のヒ素濃度が時間経過とともに下がり、濁度の低下速度も電気分解していないものと比べ早く低下する結果が得られた。ただし、排水の水質にも依存するため、濁質粒子の沈降は促進するが、重金属の吸着には他にも条件があり、今後の課題である。今後は電解した後の香りナイト粒子の表面を観察することや、粒子の表面電化を調べることで実際のメカニズムについて研究をしていきたい。
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