研究責任者 |
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 糖尿病とメタボリック症候群は、国民の健康寿命を縮め、国家経済を揺るがす重要な疾患である。我々は、少数の既知因子の遺伝子導入によるヒト体細胞の運命転換技術を通じて、糖尿病とメタボリック症候群に対する新しい再生医療のための基盤技術を開発したが、これを実用化に近づけるには、遺伝子導入に換えて、患者にとってより安全性の高い小分子化合物で、細胞の運命転換を行うことが望ましい。そこで本研究では、ケミカルライブラリ―のスクリーニング系の構築と実際のスクリーニングを行い、結果として一部の因子については代替する化合物の候補を見出した。 因子Aを代替する化合物に関しては、本研究で見出した候補化合物の活性をコンファームし、合成展開を経て最適化するとともに、より大きなライブラリーのスクリーニングも同時並行で行う予定である。また因子Bを代替する化合物のスクリーニング系を確立して実際に候補分子を見出す。ケミカル・ダイレクト・リプログラミングは臨床応用へのハードルを下げ、再生医療新法に基づいた治験が可能になると期待できる。それゆえに、本研究の成果は重篤な糖尿病とメタボリック症候群に対して実用的な新規再生医療に結びつく可能性がある。
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