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真空アーク蒸着法を用いたSi基板上への厚膜磁石の成膜と微細加工

研究課題

産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ

研究責任者 中野 正基  長崎大学, 工学研究科, 教授
研究期間 (年度) 2013
概要これまで申請者らは,希土類系磁石であるNd-Fe-B系ターゲット表面にアーク放電を生じさせ,それより飛び出す「数ミクロン径の液状微粒子」を利用した高速成膜下での「20 μm厚程度のNd-Fe-B系厚膜磁石」を金属基板上に作製すると共に,研究当初の目標値である10 MGOe程度の(BH)maxを有するNd-Fe-B系厚膜磁石を実現してきた。本申請研究では,上記の高真空中かつ高速成膜可能な「厚膜作製技術の独自技術」の利用範囲の拡大を目的として,微細加工が応用可能なSi基板上への成膜技術を確立すると共に,100 μm厚以上の厚膜化を目指した。真空アーク蒸着法によるSi基板への成膜を試みたものの,(1)成膜時の基板温度の上昇による結晶化や(2)成膜時等の機械的剥離の問題が生じ,その課題克服にあたり,「基板冷却」・「複数のアークプラズマガンを利用したバッファー層ならびに厚膜磁石の多層化」に対応した。その一方で,レーザ蒸着を利用したSi基板上へのNd-Fe-B系厚膜磁石の成膜も同時に取り組み,Nd-Fe-B系厚膜磁石のNd含有量を制御することにより,再現性良く50 μm厚までの試料の厚膜化を実現すると共に,一部の試料においては100 μm厚を超える厚膜化も実現した。上記の試料の(BH)maxは現状で7-8 MGOe程度であるものの,ダイシングを用いた加工後においても,その磁気特性が劣化しない事を確認した。 今後は,「レーザ蒸着」で得られた知見を利用し,より簡便な手法である「真空アーク蒸着法」によるSi基板上へのNd-Fe-B系厚膜磁石の成膜を引き続き検討する。

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JSTプロジェクトデータベース掲載開始日: 2016-04-26   JSTプロジェクトデータベース最終更新日: 2025-03-26  

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