概要 | 本研究では,乳房超音波画像における腫瘤非形成病変の病理組織型の可能性を評価する鑑別支援システムを構築し,その有用性を明らかにした.まず,11病変形態に対する医師の主観的印象データと最も相関が高い定量化手法を明らかにした.そして,それらの形態的特徴量を用いた人工ニューラルネットワークにより病理組織型を分類し,浸潤がん91.0%,非浸潤がん77.8%,良性疾患94.1%の正答率が得られた.また,観察者実験の結果,鑑別支援システムを用いることにより観察者のROC曲線下の面積(診断能)は, 0.840から0.883に有意に増加した.今後は,臨床評価試験を実施し,臨床応用可能なシステムの確立に取り組む.
|