概要 | 温泉排水処理に適応可能なフッ素・ホウ素吸着処理技術を開発することを目標に,無機吸着材であるSi-Al-Mg系複合含水酸化物の合成方法と処理装置運転条件を検討し,既に持つフッ素吸着能力に加えてホウ素吸着能力の付与を目指した。ホウ酸に対する選択吸着能力の観点では既知の能力とほぼ同程度であったが,検討したpH 7~11の範囲においてホウ酸を吸着できることが明らかになった。最適初期pHは9であり,このときホウ酸吸着量は最大値を示した。カラム試験により通水条件でフッ素含有温泉水を処理した結果,造粒化技術に関する問題点が抽出され,今後は適切な造粒化技術を確立する必要性が示された。造粒後のフッ素・ホウ酸吸着量の評価した後,温泉排水処理技術としての技術移転を目指す。
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