概要 | 低濃度の塩酸を用いて白金含有複合酸化物を完全に溶解させるため、希塩酸への塩化物の添加効果を検討した。白金含有複合酸化物は白金粉末とアルカリ金属塩を空気中で焼成することにより合成した。溶解試験の結果から、飽和量のCaCl2を希塩酸に添加することで、白金含有複合酸化物(Li2PtO3、Na2PtO3および(Na,Li)2PtO3固溶体)からの白金溶出速度が大幅に増大したことがわかった。Li2PtO3を用いた場合では、80°Cで溶解処理を行うことにより、白金をほぼ完全に溶解できた。本プロセスでは劇物指定となる濃度よりも低濃度の塩酸を用いて白金を溶解できるため、王水等を用いる従来の溶解プロセスよりも安全性を大幅に向上できる。
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