概要 | 本研究では,常温域(55°C)における低酸素濃度での乾燥法を提案した.乾燥には青汁に使われるケールを採用し,カルシウム,ビタミンC,β-カロテン,クロロフィル,スーパーオキシド消去活性を調べた.また,乾燥したケールの葉を粉末化し,その色の違いも調べた.酸素濃度は20.9,10,0%と変化させ,凍結真空乾燥法と比較を行った.その結果,酸素濃度0%の無酸素乾燥においては,スーパーオキシド消去活性は凍結乾燥よりもやや劣るものの,その他のビタミンC等の有効成分は,凍結真空乾燥法と同等以上であった.また,大腸菌,一般生菌共に検出されなかった.酸素濃度が0%,10%の場合は,大気濃度(20.9%)と比較すると色が濃く鮮やかな色であり,凍結乾燥した試料の色にほぼ近かった.以上,酸素濃度を低下させると,凍結乾燥品とほぼ同等に乾燥できることが分かった.
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