概要 | 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(Angioimmunoblastic T cell lymphoma: AITL)は、高齢者に多い末梢性T細胞リンパ腫のひとつである。従来の病理学的診断のみでは、診断がしばしば困難である。申請者らはAITLの70%にRHOA遺伝子の点突然変異(c.G50T, p.G17V)が集積していることを発見し、これを検出する方法を確立した。今回の研究では、RHOA変異陰性のゲノム異常を検出することにより、RHOA変異陰性AITLを診断する方法の開発を行う目的で研究をおこなった。RHOシグナル関連経路分子をコードする遺伝子Xについて、RHOA変異陰性50例のターゲットシークエンス解析を行ったところ、RHOA変異陰性例のみにおいて3例に遺伝子変異を認めた。RHOA変異陰性AITLの診断方法を確立するために、今後さらに多数例について検討をすすめる必要がある。
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