研究責任者 |
森 剛志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 本課題は、従来の異常型PrP試験管内増幅法(RT-QUIC法)を改良し、プリオン病のタイプを識別することを目標である。前年度は、本法に用いるリコンビナントPrP蛋白を大量に精製した。今年度は、このリコンビナントPrP蛋白を用いてプリオン病クロイツフェルト・ヤコブ病のタイプ、MM1とMM2を鑑別する方法の開発を試みた。RT-QUIC反応時に様々なPrPペプチド断片を混合させ、競合阻害実験を行い、タイプ間(MM1、MM2)におけるRT-QUIC反応感受性を制御している重要配列を探索した。結果、タイプMM1では、2つのペプチド配列がQUIC反応を遅延させる効果があった。視床型MM2のタイプでは、3つのペプチド配列が遅延効果を有していた。
今後は、得られた結果を基に臨床への応用を目指す。又、本課題では現在のところ、日本におけるタイプ鑑別(MM1型・MM2C型・MM2T型)のみを目標にしてきたが、今後は、海外のタイプ鑑別を視野に入れる。また、プリオン様凝集形成を起因とする疾患への応用も期待している(レビー小体型認知症等)。
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