血清Galectin-3を標的とした早産の予測・診断法の開発
研究責任者 |
宮内 睦美 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 正期出産妊婦の妊娠経過中(92症例)ならびに出産時(50症例),早産妊婦出産時(21症例)を含む186症例の血清を用い,ELISA法にてGalectin-3の値を測定した.正期出産では妊娠経過に伴い血清Galectin-3の値が上昇した.早産症例のGalectin-3値は,正期出産のいずれの時期においても有意に高い値を示した.また,感染が原因の早産症例 (71%) では非感染早産症例 (29%) に比べて有意に高く,非感染早産症例は正期出産時とほぼ同程度の値であった.本研究開発結果から正期出産の中期症例の95%,後期症例の75%はカットオフ値以下で,感染による早産の75%がカットオフ値以上となる値が設定可能であった.よって,妊娠37週までの検査において,血清Galectin-3値がこのカットオフ値を超えた場合には早産になる可能性が非常に高いと考えられた.血清Galectin-3値のモニタリングにより早産のリスクを予測/診断する技術の開発とその臨床応用の見通しが立ったと考える.今後,論文化するとともに,産学共同の研究開発として展開していきたい.
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