緑内障におけるapelin-APJ systemの病態生理学的役割と創薬標的分子としての有用性
研究責任者 |
石丸 侑希 摂南大学, 薬学部, 助教
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 緑内障は、網膜神経節細胞死により失明する不可逆性の眼疾患であるが、既存の治療薬の眼圧降下剤を投与しても、病態が進行する症例が多数存在する。これは、緑内障における網膜神経節細胞死に眼圧以外の要因が関与する可能性を示している。本研究では、薬物投与による緑内障モデルマウスを用いた検討により、*アペリン欠損マウスでは網膜神経節細胞死が増加、*網膜神経節細胞死に伴いアペリンの発現が減少、*アペリンの硝子体内投与により網膜神経節細胞死が抑制されることを明らかにした。これらの結果は、アペリンの欠乏や減少が網膜神経節細胞の脆弱性に関与すること、およびアペリンの補填により細胞死を抑制できる可能性を示している。現在、他の緑内障モデルにおいても、アペリン欠損により細胞死が増加することを見出していることから、引き続き、本課題について詳細に検討し、最終的には、ヒト緑内障とアペリンの関係性について明らかにすることを目標にする。
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