概要 | 本研究ではキュウリのウイルス病をモデルとして、深層学習装置であるConvolutional Neural Network (CNN)を用いて病徴の画像による診断システムを開発する。ZYMV(ズッキーニ黄斑モザイクウイルス), MYSV(メロン黄化えそウイルス)に感染したキュウリ画像、および健全植物の画像を用いてCNNに導入し3種類を識別するシステムを構築して4-fold cross-validationによって評価したところ、識別率の平均は92.5%と高い精度が得られた。ついで、4種類のウイルス(ZYMV, MYSV, CCMV:ウリ類退緑黄化ウイルス, CMV:キュウリモザイクウイルス)および健全の5種類を識別するシステムを構築したところ、識別率の平均は90.8%と高い精度で識別することが可能であった。以上の結果から、CNNによって、訓練データを加えることにより、複数の植物病害について診断するシステムを構築できることが確認され、実際の応用に向けての端緒を開くことができたと考えられる。
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