ほうれん草由来糖脂質を用いたがん化学療法用経腸栄養剤の開発
研究責任者 |
竹谷 豊 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(医学系), 准教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | がん化学療法時の消化管粘膜障害に伴う嘔吐・悪心の副作用を軽減するような食品成分として、ほうれん草由来糖脂質の効果を検討した。その結果、抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)投与5日前より20 mg/kgの用量にて投与することで、5-FUによる小腸粘膜障害ならびに嘔吐・悪心誘発因子の合成に関わる遺伝子発現の抑制を確認し、当初の目標にあった用量・投与期間の設定ができた。さらに、上記投与条件において、ヒトの嘔吐・悪心行動に相当する異味症(パイカ行動)を有意に抑制できたことから、当初の開発目標をほぼ達成できたと判断した。今後は、特許出願の後、共同開発企業とともに製品化を進め、がん患者を対象とした臨床試験を行い実用化を目指す予定である。
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