腫瘍選択性と診断能を有するセラノスティック型BNCT薬剤の開発
研究責任者 |
宇都 義浩 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 本研究は、多機能イメージングが可能な有機シリカ粒子を用いて腫瘍選択的分子の腫瘍認識能と粒子サイズによるEPR効果によって腫瘍選択的にナノ粒子を集積させ、蛍光特性および安定同位体10Bの中性子捕捉反応によって生じる即発ガンマ線を利用した腫瘍の診断とアルファ粒子による腫瘍の破壊を同時に行える新規BNCT剤の創製である。研究開発実績として、直径50〜200nmの粒子において大きさがほぼ同一の粒径分布の狭い粒子の作製に成功し、最大で8.2 ppmの粒子内ホウ素濃度を達成した。また、腫瘍細胞および発育鶏卵やマウスを用いて当該粒子が腫瘍内に取り込まれることを確認したが、中性子線量の不足により腫瘍の破壊能については証明できなかった。今後は、より高い中性子線量で照射可能な京都大学原子炉実験所が再稼働後に当該粒子の中性子増感活性を評価する予定である。
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