概要 | Euなどの希土類元素を用いない安価で安定供給が可能な無機赤色蛍光体新材料として,マグネシウムを化学量論より過剰にしたマンガンドープスピネル型酸化物(MgAl2O4:Mn)が紫外線励起による強い赤色発光を示すことを研究者らが独自に発見した.本研究ではMnドープスピネル型酸化物MgB2O4:Mn(B = Al3+, Ga3+)の主成分制御(結晶サイト制御)という簡便な方法より,赤色,緑色の蛍光体を作り分けが可能であること及び合成時の酸化還元雰囲気の検討により,赤色発光のMnが高酸化状態であることを見出した.さらに,Mgの除去や再焼成による蛍光特性の変化やESR, 固体NMR, リートベルト等の構造解析により,緑色および赤色発光が生じるメカニズムを解明し,実用化に向けた指針が得られた.
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