高度に安全な次世代抗菌添加剤としてのトリクロサン誘導体プロトタイプの創出
研究責任者 |
青木 俊介 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 本研究ではin silico化合物探索技術と有機合成手法によりトリクロサンの構造を改良し抗菌効果を保持したまま細胞毒性フリーの次世代の抗菌剤を創出する事を目指した。トリクロサン類縁体とその標的タンパク質との結合シミュレーションの条件検討を行ない高精度のシミュレーション系を構築した。既存化合物ライブラリから10化合物,新規合成の15化合物の抗菌効果と細胞毒性を検証した。その結果,トリクロサンの毒性を消失させ,かつグラム陽性菌に対して強い抗菌効果を有する化合物を複数同定することに成功した。しかしながら,ほぼ全ての化合物はグラム陰性菌に対して抗菌効果を有さなかった。今後,グラム陰性菌の標的タンパク質構造情報を見直して,本研究において確立された手法によって研究を進めることでさらに有用な次世代の抗菌剤を創出する事が可能であると考えられた。
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