概要 | 本研究ではPSAの検出のためPSAの認識ペプチドに電気化学的に活性なフェロセンを修飾したペプチドプローブを2種類合成した(PSAG0, PSAG3)。PSAG0とPSAG3はともに金電極上に固定化され、高い電子移動速度を有することが明らかになった。このうち、PSAG0固定化電極に対して、前立腺がん患者の血清を含むサンプル溶液を処理した。その結果、血清をサンプル溶液で5倍希釈した場合、37%の電流減少率を示し、血清をサンプル溶液で10倍希釈した場合、49%の電流減少率を示した。これらのサンプルを加熱処理し、PSAの活性を失活させたサンプルでは11%の電流減少率を示したことより、本検出システムでPSAの活性検出が可能であることがわかった。本研究提案を企業化するには、装置、電極、試薬の開発が必要となる。そのため、今後は装置、電極、試薬について、それぞれ共同開発が期待できる企業との連携を進める。
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