室内照明下で抗菌性を示す高密着性TiO2被膜チタン材料の開発
研究責任者 |
大津 直史 北見工業大学, 工学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 報告者らが開発した「硝酸塩有機溶媒陽極酸化法」を利用して、室内照明下で半永久的に抗菌性を示す高密着性窒素ドープTiO2被膜をチタン材料に形成する技術を開発することを目指した。目標とする殺菌性能は医療現場での利用を想定し、手術室照度基準である1000ルクス照明下で1時間以内に80%以上の殺菌とした。研究開発の結果、① 光触媒機能および被膜強度の両方の観点から考えられる最適な陽極酸化処理時間は「120分」であること、② 最適処理時間を適用して形成したTiO2被膜を有するチタン材料は、手術室の光を模擬したキセノンランプ光源からの10000ルクス程度の光照射下で、4時間以内におよそ80%の細菌を死滅させることができることすることを明らかにした。しかし、当初目標であった1000ルクス程度まで明るさを低下させたときの抗菌性能や4時間より短時間の光照射における抗菌機能の調査は、研究期間内に終了させることができなかった。然るに、本研究を通じて光触媒機能の大幅な改良に成功し、目標とする抗菌性能まで到達する道筋が明らかとなった。
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