概要 | ポリ(グリコリド-乳酸)ーポリカプロラクトンマルチブロック共重合体を用いた生分解性高分子による心膜用シートの開発に向けて,加水分解特性制御とこれを生かした動物実験を行った。緩衝液(pH 10, 7.4)中での加水分解試験により,グリコリドを含有したマルチブロック共重合体の加水分解速度が分子量により最適化できることを見いだした。生体内で3ヶ月程度で完全分解させるよう分子量制御したマルチブロック共重合体をウサギの心膜代替膜として埋め込み,癒着防止能力を評価した。一部のウサギでは全く癒着が見られず,膜も残存していないことから癒着防止膜として極めて有望な結果が得られた。一方,強固な癒着が確認された実験もあったためウサギのタイプと膜の有効性について追加検討を行い,特許申請とこれに基づく産学連携を目指す。
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