生体内の硫化水素を可視化するON-OFF型蛍光プローブの開発
研究責任者 |
中田 憲男 埼玉大学, 理工学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 近年、細胞内の生理的シグナル伝達物質として硫化水素が注目されており、様々な蛍光プローブを用いて生体内の硫化水素の働きをリアルタイムに可視化する試みがなされている。本研究では、ジベンゾバレレン骨格に組み込まれたセレノキシド誘導体を活用するリサイクル可能なON-OFF型硫化水素蛍光プローブの設計・開発を検討した。結果として、種々の酸化剤によるセレニドの酸化反応から高い選択性を示し、硫化水素の検出によって生成したセレニドは容易に再利用できることを見出した。一方、赤色発光が期待されるpush-pull型化合物の合成を行い、シアノ基およびジメチルアミノ基を有するセレニド誘導体はCH3CN/リン酸緩衝液中において橙色発光を示し、細胞透過性の高いセンサーとしての可能性を明らかにした。今後は、得られたデータを駆使し、硫化水素プローブ化合物としての性能評価を実際の細胞を使用して検証を行う予定である。
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