ナノファイバー技術を用いた自己抗体の新規スクリーニングシステムの開発
研究責任者 |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 自己免疫疾患の発症原因となる自己抗体を結合の場とした新規抗体アッセイシステムを開発することが目的であった。自己抗体の結合標的となる神経伝達物質受容体タンパクを人工的に発現させ、有機溶媒に溶かし込み、抗原決定基を充分露出させたタンパク含有ナノファイバー・シートの作製することを計画した。当初予定した神経伝達物質受容体をカイコ細胞膜に大量発現させることを試みでは、充分なタンパク量をえられず、発現系を大腸菌に変え、主要な神経伝達物質受容体タンパクを大腸菌に大量発現させることに成功した。有機溶媒の選択と溶かし込みの条件検討、ナノファイバー化、ヒト患者血清での検定は今後の課題となった。
今後の展開として、1)神経伝達物質受容体を組み込んだナノファイバーからELISAに用いることができる抗原シートの作成、2)同時に多数の神経伝達物質受容体に対する自己抗体をスクリーニングできる測定系の開発、3)その測定系を用いた神経疾患(自己免疫性脳炎、精神疾患、認知症、発達障害等)の患者血清スクリーニングの実施、4)測定系の改良による簡便なスクリーニングキットの開発、以上のステップを経て、原因不明の神経・精神疾患の一括スクリーニングメソッドの提供を実現したいと考えている。
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