マイクロカンチレバーを用いた超微量生体タンパク質の電子状態解析
研究責任者 |
大道 英二 神戸大学, 理学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2014 – 2015
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概要 | 本研究ではカンチレバーを用いた高周波電子スピン共鳴(ESR)法を実際の生体金属タンパク質へと適用することを目的として研究を行った。その結果、金属タンパク質の信号検出には至らなかったが、金属タンパク質と類似した分子構造を持つヘミン分子と銅(II)ポルフィリンについてESR信号の検出に成功した。ヘミンでは1 g程度の微量試料に対し、80-130 GHzの周波数領域においてg=6付近に吸収ピークを持つESR信号を検出した。また、銅(II)ポルフィリンについても400 GHzまでの広い周波数範囲でg=2.1付近にESR信号を検出した。本研究の結果から、実際の金属タンパク質の信号検出にはあと1-2桁程度の感度改善が必要と考えられる。今後は、更なる高感度化を進めることで実際に金属タンパク質での測定を可能にし、十分な検出感度が達成できる目処がつき次第、製薬、食品、農業関連企業などを中心として企業連携の可能性を探っていく。
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