胆道・膵臓がんの診断・治療法開発ツールとしてのがん幹細胞モデルの確立
研究責任者 |
齋藤 義正 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授
|
研究期間 (年度) |
2014 – 2015
|
概要 | 本研究では、難治性がんにおけるがん幹細胞を標的とした革新的な診断・治療法を開発するため、オルガノイド培養技術により、胆道・膵臓がん由来のがん幹細胞モデルの確立を試みた。研究倫理申請の承認に時間がかかり、平成27年11月より胆道・膵臓がんの検体採取を開始した。現在、安定的に培養・維持出来る胆道・膵臓がんオルガノイドを合計で3例樹立した。これらのオルガノイドにおいて、ドライバー遺伝子の変異やがん抑制マイクロRNAの発現低下およびゲノム全体のメチル化レベルの低下などを認めた。今回樹立した胆道・膵臓がんオルガノイドは、胆道・膵臓がん由来のがん幹細胞を標的とした革新的な治療薬を開発する上で、極めて強力な研究ツールとなると考えられる。今後、個々の患者より樹立された胆道・膵臓がんオルガノイドを用いて、薬剤感受性スクリーニングなどを行い、個別化治療の開発に展開したいと考えている。
|