概要 | 本研究では、再構成型無細胞翻訳系(PUREシステム)と高速化改変mRNAディスプレイ法を用いた翻訳ペプチドライブラリーの高速スクリーニング法(Kawakami, ACS Chem Biol 2013)に対して、実用化に向けたスクリーニング系の最適化を行なった。その結果、煩雑な化学合成を必要とする10-ホルミルテトラヒドロ葉酸の非存在下でPUREシステムを用いた環状Nアルキルペプチドライブラリーの大規模合成法の確立に成功した。また、ヒトcDNAクローンと無細胞翻訳系を用いた固定化ヒトタンパク質のハイスループット調製法の確立にも成功した。更に最適化された本システムを用いて、がん関連ヒトタンパク質を標的とし、タンパク質・タンパク質間相互作用を阻害する新規環状Nアルキルペプチド化合物の同定にも成功した。今後ロボットを用いた自動化へと駒を進め、技術移転・実用化に向けて展開する。
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