不均一なIoTデバイスに対するデータ整合性とプライバシを保つ高信頼な不正取得耐性機構
研究代表者 |
横田 治夫 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2015 – 2018
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概要 | 本事業の対象分野「セキュアでディペンダブルな IoT ポータブルデバイスのための研究」では、様々な不均一の IoT デバイスが故障あるいは不正取得された場合に、それらを検出し、情報を修正してから収集処理することが最重要であると考えられる。その際、IoT デバイス自体は、計算能力や通信能力あるいは記憶容量等に制限があることが一般的で、情報をクラウドに送って処理することを前提にする必要がある。本研究課題では、不均一の IoT デバイスとクラウドからなる IoT システムにおいて、故障(含むビザンチン故障)あるいは不正取得された IoT デバイスを検出し、修正した情報をクラウドに送って処理するための技術を開発し、実際の環境でその効果を評価することを目標とする。本提案では、実現手段として時間的整合性と空間的整合性を利用する。時間的整合性では、一つの IoT デバイスから送られる情報は一般的にはパターンを持ち、そのパターンから大きく外れた情報が送出された場合に、当該IoTデバイスが故障もしくは不正取得されたと見なす。一方、空間的整合性では、近くに置かれたIoTデバイスから送られる情報は似た傾向を示すという前提から、近接する IoT デバイスと比較して特異なパターンの情報を送出するIoTデバイスが故障もしくは不正取得されたと見なす。しかし、IoT システムではプライバシィを保つことが必須であり、ネットワーク上で通信される情報はその度に暗号文が変わる確率的暗号で暗号化されている必要がある。一般の確率的暗号で暗号化された情報に対して時間的整合性や空間的整合性を見つけることはできないが、本研究課題では軽量な検索可能プロキシ暗号を利用し、確率的暗号であってもパターン比較が可能な方法を提案する。日本側のグループは、暗号を用いたストレージや情報共有の手法について実績がある。また台湾のグループは、ネットワークやモバイルコンピューティンにおける暗号の専門家であり、本研究交流により高いシナジー効果が望める。
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研究領域 | セキュアでディペンダブルなIoTポータブルデバイスのための研究 |