GaNパワーデバイス量産用超低抵抗GaN再成長装置
体系的番号 |
JPMJTT16A2 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJTT16A2 |
研究代表者 |
上田 大助 京都工芸繊維大学, グリーンイノベーションセンター, 特任教授
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企業責任者 |
大陽日酸株式会社
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研究期間 (年度) |
2017 – (非公開)
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概要 | 本開発は、高密度窒素ラジカル発生技術とピコ秒パルスレーザーによりGe (ゲルマニウム)を溶融させた液体金属Gaをアブレーション(昇華)することにより高い成長速度で低電気抵抗のGe-GaN(窒化ガリウム)膜を再成長できる大口径基板(4~6インチ)対応の量産型の超低抵抗GaN再成長装置を提供する。
地球温暖化抑制のための省エネ化は、地球規模の継続的な課題であり、SiC(炭化ケイ素)およびGaN を用いたパワーデバイスは従来のSi(シリコン)と比べて、バンドギャップが広く、絶縁破壊電界が高いことから、高耐圧でありながら低損失な素子の実現を可能とし、高効率の電力変換機器を実現するためのキーデバイスとして期待されている。特にGaNについては、電子飽和速度、キャリア移動度の面でSiCより優れていることから、高速なスイッチング動作に向くため,より速いスイッチング周波数を求める用途に適している。
GaNはSiの10 倍以上の電流密度があるため、金属配線層とのコンタクト抵抗は最大の損失要因になる。ここに高濃度不純物層を再成長させることでコンタクト抵抗を大幅に削減できることがわかっている。しかしながら、十分な密度の窒素ラジカルの発生技術とGeを溶融させた液体Gaを効率よくアブレーションできる励起光源がなく、この再成長GaNを大口径基板上に均一かつ低コストで実現することがいままでは困難であり、GaNパワーデバイス普及の妨げとなっていた。 本技術は、比較的低温で高濃度不純物電極層を再成長できるため昇降温時間を短くできるため装置のスループットが極めて高くなる。また超高真空プロセスや高濃度の半導体材料ガスを使用しないため高い設備稼働率と環境負荷の少ない製造装置である。
本開発により、パワーデバイスのボリュームゾーンである200ボルト以内の中・低電圧領域のスイッチングデバイスや高周波デバイスにおけるGaNの普及が促進することが期待される。
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