「連携プロジェクト」都市生態へのオゾン汚染の影響:モニタリング、評価そして緩和
体系的番号 |
JPMJSC18HB |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJSC18HB |
研究代表者 |
渡辺 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任准教授
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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概要 | 本研究では都市緑地における樹木の生理的メカニズムに基づいたオゾン浄化能力の定量的評価のための数値モデルを構築し、緑地が持つオゾン浄化能力の定量評価を行う。さらに、その能力の増強ならびに最適化のための具体的な提案を科学的知見に基づいて行う。具体的には、樹木および樹木群落の野外観測によるオゾン吸収能力の評価、ならびにオゾン暴露実験を両国で行う。その中で、中国に設置された最先端設備である開放系オゾン暴露施設において、日本側の研究者が中国の研究者と共同で調査を行い、樹木のオゾン応答の詳細を調査する。またそのモデリングについては日本側の研究者の知見の提供を行う。一方、日本で行う予定の樹木のオゾン耐性付与実験に対しては、中国側の研究者が技術指導が行う。観測タワーによる森林のオゾン吸収量の実測では、日本の現有の観測タワーを用いて評価を開始する。さらに、中国には新たな観測タワーを設置する予定であり、その際に日本側の研究者が技術提供を行う。数値モデルを用いたコンピューターシミュレーションについては日本側研究者が開発したものを用い、日本と中国の研究者がそれぞれ自国の環境情報(オゾン濃度など)を収集する。得られた成果については、両国の研究者によって議論を行い最終的な提案をまとめる。本研究で日本と中国が交流を通じて相互的に取り組むことで、特に世界で最も大気汚染が深刻であると考えらえれている中国のメガシティの大気環境の改善が迅速に進むことが期待される。また、日本と中国双方における研究の大きな発展が期待できるとともに、大気汚染と植物の研究の応用科学を世界的にリードすることにつながる。
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