体系的番号 |
JPMJER2001 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER2001 |
研究代表者 |
上田 泰己 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2020 – 2025
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概要 | ゲノム配列の解読を踏まえて、生命をシステムと捉え、その振る舞いを構成要素の性質やその関係性から理解する「システム生物学」が発展してきました。しかし、哺乳類、特にヒトの個体レベルの振る舞いを理解するためには、社会構造の複雑さや「環境要因」による影響なども考える必要があり、その方法論は十分に確立されていません。
本プロジェクトでは睡眠・覚醒リズムをモデル系として、「ヒトの理解に資するシステム生物学」を展開し、ヒトの睡眠覚醒において、分子レベルから社会に生きるヒト個体まで含む「生体時間」情報の理解を目標としています。ヒトをはじめとする哺乳類の睡眠・覚醒に関する分子機構の解明に向け、研究総括が開発を進めてきたヒト睡眠測定法や次世代マウス遺伝学の手法等を駆使し、遺伝子と表現型の因果関係を検証しながら、タンパク質のリン酸化制御を中心とした分子レベルでの睡眠・覚醒リズムの理解と制御を目指します。また研究総括が提唱してきた「睡眠のリン酸化仮説」は、ヒトの疲れや眠気の情報の記憶方法を解き明かす鍵となるだけではなく、精神疾患などの深い理解に基づく新たな治療法の開発において重要な生命科学としての基礎となることが見込まれます。
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