生物的硝化抑制(BNI)技術を用いたヒンドゥスタン平原における窒素利用効率に優れたコムギ栽培体系の確立
体系的番号 |
JPMJSA2108 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJSA2108 |
研究代表者 |
飛田 哲 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 研究プログラム(環境), 特定研究主査
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研究期間 (年度) |
2021 – 2026
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概要 | 本研究は、世界第2位のコムギ生産大国であるインド北部に広がるヒンドゥスタン平原で、生物的硝化抑制(BNI)能※を活用し、コムギ栽培農地へ施肥された窒素が、温室効果ガスである亜酸化窒素や、地下水を汚染する硝酸態窒素として損出することを低減することで、窒素利用効率を改善し、施肥窒素量を削減することを目指す。コムギ近縁野生種のBNI能を持つ染色体断片をプレブリーディング技術により現地のエリートコムギ品種へ組み込むとともに、同染色体断片中のBNI関連遺伝子の探索を行う。また、作出されたBNI強化コムギ系統による窒素損出の低減を確認するとともに、環境の異なる3つの地域での連携試験を実施し、それぞれの地域でのBNI強化コムギの適応性を評価する。インドにおける品種登録に向け、全インドコムギ連絡試験(AICRP-Wheat)の仕組
みを活用した農家ほ場でのBNI形質の発現による便益である施肥窒素量の削減と窒素による環境汚染軽減の実現を図る。
※植物が根から分泌する化学物質によって、土壌中のアンモニア態窒素(NH4+)から硝酸態窒素(NO3-)への変化(硝化)を抑える能力。肥料の効率的な利用と農地からの温室効果ガス排出削減につながる。
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研究領域 | 生物資源 |