概要 | 外界情報の約 8 割を担うとされる視機能の低下は、生活の制限や自立という観点から幸福度に大きく影響する。視機能障害者、特に治療での回復が望めない患者のウェルビーイング向上は社会的に極めて重要である。他者の補助だけでは不十分であり、「能動的に行動することによる達成感」の獲得を補助するデジタルデバイスの開発が重要課題であると考える。その足掛かりとして、視覚情報に重点を置いた新規の主観的ウェルビーイング評価法を確立することに加え、生理検査データ、表情、音声などから個人の最適化状態を定量的に把握する方法を、機械学習を組み合わせることで視機能障害の観点から開発することを試みる。また、生体情報を反映するバイオマーカーを探索し科学的根拠に基づくウェルビーイング指標を構築する。将来的には、生活習慣の改善に繋げる行動変容を促し生涯にわたり視機能を維持することで、社会における利他の実現に向けた貢献を目指す。
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