体系的番号 |
JPMJST2183 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJST2183 |
研究代表者 |
佐宗 章弘 名古屋大学, 副総長/学術研究・産学官連携推進本部長
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研究期間 (年度) |
2021 – 2025
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概要 | ① 全体概要
東海地域の17大学が一体となり、Tech Innovation Smart Societyを実現していくために、グローバル展開を志向するシーズアウト型の起業支援、アントレプレナーシップ教育、環境整備を融合していくことで、面でのスタートアップ創出の環境整備を行う。
具体的には、①大学に埋もれた起業可能性の高いシーズ発掘・磨きのためのGAPファンドとインキュベーションプログラム、②アントレプレナーシップ教育の裾野拡大と深化、③プロトタイプ製作と熱い刺激(ステージが異なるコミュニティ・ネットワーキング)に触れることができる場を創る。スタートアップ・エコシステム・グローバル拠点都市「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」と連結し本地域のエコシステム形成に取り組む。
② 実施項目ごとの概要
(1)起業活動支援プログラムの運営
参加大学の技術シーズから起業することを目指して、①起業の可能性の高いシーズ情報を共有するために構築しているシーズライブラリを活用した、埋もれた技術シーズの探索、②支援人材である産学連携担当者、事業化プロデューサー候補、メンターなどの協力者が一堂に会したスタートアップを目指す起業チームづくり、③モノづくり・医療などの分野別のGAPファンドからの資金提供および起業研修プログラムの実施、④磨き上げたビジネスモデル・プロダクトをプレゼンし、VCなどからの資金を呼び込むための拠点都市と連携したDemo Dayの開催を行う。最終年には、50社/年のスタートアップを創出するプログラムに成長することを目指していく。
(2)アントレプレナーシップ人材育成プログラムの開発・運営など
現在実施しているアントレプレナーシップ人材育成“Tongaliプロジェクト”を基盤に、地域で希望する学生などが受講できる教育体制の構築と、起業教育まで深度を高めた教育・育成を行っていく。具体的には、①インセプションから始まるマインドセットプログラム(意識醸成~アイデア創出のトレーニング)、②コンピテンシー・スキルセットと実践教育、③自らのアイデアや技術を用いて起業化を進めるプログラムを実施する。5年後には、拠点都市の全大学84大学のうち30大学が参加し、プラットフォームの全機関の全学教育などでマインドセットステージの教育を行い、プラットフォーム全体で、10,000人/年が受講できる体制を構築する。
(3)起業環境の整備
地域内の3大学に整備したTongali Tech Base(TTB)中心に、試作機能のほか、メンターやスタートアップの先輩格とのコミュニケーションを通じて、熱い刺激に触れることができる“集う機能”を整える。①効率的な試作品製作・仮説検証環境(ファブラボTTB)の維持・運用、②コミュニティ形成・関係機関とのハブ機能の構築の維持・運用、③共同機関・TTB間の遠隔通信システムの維持・運用といった環境を整備するとともに、大学における起業相談窓口の拡充・起業関係諸ルールのプラットフォーム内設置などを行う。また、大学間および拠点都市内のインキュベーション拠点などとの連携体制を整え、拠点内の交流の機会を創出し、拠点間の連携促進・参画者の裾野の拡大を行う。
(4)拠点都市のエコシステムの形成・発展
Tongali-PFに「プラットフォーム推進委員会」を設置し、計画・ビジョンの策定やコミュニティ(拠点)の要望に沿ったイベントなどを企画・実施するとともに、拠点都市に設置するコンソーシアム運営委員会に接続し、相互交流の下で拠点都市のビジョン達成に取り組む。また、アドバイザリー委員会を設置し、拠点共同運営機関の有識者を招き、活動の実質化のための助言を受ける。海外のベンチャー先進地域との交流によるノウハウ会得や他の国内グローバル拠点都市との連携にも努める。スタートアップによって還流される人材・資金・ノウハウを、大学の基礎研究・応用研究に再投資することで、新たな起業につながる研究成果を創出するエコシステムを構築する。
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