概要 | 近年、世界中の多くの都市がスマートシティーの実現を目指している。社会システムのスマート化は、流通やモビリティーなどインフラの最適化や効率化に資する一方で、スマートシティーの究極目標として掲げられているウェルビーイングの向上の定義や課題、スマート化がもたらし得るELSIへの目配りが十分には前景化されていない。
本プロジェクトは、人間の「生」の変容への影響や、リアルとバーチャルにまたがるコミュニティーの貧困化や群衆化を招くリスクなどを「WE(絆・コミュニティ)」問題と名付け、スマート化・DX化の技術がもたらすELSIとして同定し、その解決に取り組む。具体的には、福井県越前市におけるIT意思決定支援実験や、小田急沿線におけるMaaS人流滞留実験などを通じて、スマート化がコミュニティーに及ぼす影響を評価する汎用的パラメーター系を開発し、産官学連携による実践的検討を行う。日本社会の特性やアジア地域への汎用性にも配慮しながら、リアルとバーチャルの「WE」の再活性化につながる、スマートコミュニティーのELSIの処方箋を提案する。
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