体系的番号 |
JPMJER2302 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER2302 |
研究代表者 |
沙川 貴大 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2023 – 2028
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概要 | 現在実用化されている計算機は原理的な限界よりもはるかに大量のエネルギーを消費していると見られており、莫大な計算量に伴うエネルギー消費量の増加が深刻な問題となっています。今後さらに計算量が増大することが予想されることから、高速な情報処理と高いエネルギー効率を同時に実現する新機軸となる学理の創出が期待されています。このような背景の中で、本プロジェクトでは、「いかにして、トレードオフ関係にある高速な情報処理と高いエネルギー効率を同時に達成するか」という課題を設定し、その原理限界と、原理限界達成に向けた方法を明らかにするために、研究総括が先駆者となって発展した「情報熱力学」の成果を通じ、理論と実験の両面で取り組みます。具体的には、古典から量子にわたる実験系で、熱ゆらぎ・量子ゆらぎの観測と制御により情報と熱力学的エネルギーの変換を検証することにより、情報処理に必要なエネルギーの原理限界を明らかにします。それらの知見を統合して統一的な理論を構築し、「情報と熱力学的エネルギーの相互変換の原理限界」の学理の確立を目指します。本研究を通じて、将来的には新しい計算機の概念の構築につながることが期待されます。
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