概要 | 本研究では、モビリティの競合により混乱をきたしている「混在交通」における道の占有の在り方を検討する。まず、(1)「交通」とは何か、という根源的問いに向き合う。次に、(2)「道路」とは何かを、歩行者等の交通弱者の保護に資するような、通行の優先度を基本思想(人権、交通史、新興技術が人へ与える心理的影響)に立ち戻って検討する。これらを踏まえて、地域/都市整備計画に応じた(3)「道」は誰のものか(各当事者への配分/優先の在り方)、を明らかにする。多様なパーソナルモビリティ・ビークル(電動キックボードなど)の運動特性の評価、自動運転車の不自然な挙動の特定、自動配送ロボットの歩道占有による事故リスク、配送ギグワーカー(個人で仕事を請け負う労働者)の道路の占有度合に対する歩行者などの認知感情を検証する。以上の評価・検証を通じて、道路・歩道の配分・優先度に関するガイドライン並びに各当事者の行動規範の提案および技術的助言を行う。
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