体系的番号 |
JPMJER9203 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9203 |
研究代表者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部/医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1992 – 1997
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概要 | 筋肉など生体運動を担う生体分子は熱ノイズレベルの小さなエネルギーで機能しています。これは熱エネルギーの数百倍のエネルギーをつぎ込んで正確かつ高速に作動させるコンピュータなどの人工機械素子とは対照的です。そこで生体分子1個の動作を直接高分解能で測定する技術を開発し、その生体分子の特性の解明を目指してきました。その結果、生体分子1個が滑り運動したり、化学反応をしたり、機能している様子を直接可視化することに成功しました。また生体分子1個を生きたまま捕まえ操作することも出来るようになりました。そして個々の分子を見ると生体分子モーターはエネルギーの入力に対して決まった力学応答をするのではなく、状況に応じて多様な応答をすることが分かりました。このようにして人工機械にはない生物分子機械のアルゴリズムが明らかになってきました。またこの間開発してきた1分子計測技術は新しい生物学を創ってゆくブレークスルーになるものと期待されます。
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