体系的番号 |
JPMJER9202 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9202 |
研究代表者 |
河内 啓二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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研究期間 (年度) |
1992 – 1997
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概要 | 微小な生物の飛行や泳ぎのメカニズムの解明を行いました。これらの運動の多くは、運動器官がその目的だけに進化しているため、その形状や作動原理を解明しやすいのです。メートルのサイズの生物や機械は、翼や鰭の断面が美しい流線形をしていて、揚力を利用して運動しています。ミリメートルのサイズの昆虫では、非常に薄くギザギザで反りのついた翼断面が使われ、この形状の翼の性能がこのサイズでは優れていることを確かめました。また、はばたき運動特有の急加減速運動と後流中の渦のふるまいを利用して、大きな流体力が発生できます。さらに小さなサイズでは、揚力(翼)は利用せず、パラシュートのように抗力を利用して運動しています。このように生物はそのサイズにふさわしい運動メカニズムを採用し、与えられた環境を上手に利用していることが明らかになりました。将来開発が期待されている微小な機械類の設計にも、この視点が重要であると思います。
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