体系的番号 |
JPMJER9401 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9401 |
研究代表者 |
高井 義美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
1994 – 1999
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概要 | 多細胞生物の個々の細胞は、外界からの刺激を受け、それぞれの局面において果たすべき役割を正しいタイミングで遂行しています。私たちはこのタイミングを決定する機構を『時系制御(バイオタイマー)』と呼び、その解明を試みました。まず、低分子量G蛋白質が中核的なバイオタイマーであると考え、この分子の機能と作用機構を解析し、その結果、その新しい活性制御因子を見出すと共に、細胞の接着、運動、分泌、遺伝子発現等の低分子量G蛋白質による時系制御機構を解明しました。一方、全く新しい細胞間接着機構を発見し、この機構がcadherin系との関係の基に細胞間接着形成を時・空間的に制御していることを示しました。また、神経シナプスに局在する多数の新しい分子を見出し、これが神経シナプス接着分子や神経伝達物質受容体をシナプスに効率よく集積させ、記憶学習の時系制御に関与していることを明らかにしました。これらの成果から、複雑な細胞機能の制御機構とその異常に基づく種々の疾病の病態が分子レベルで理解されることが期待されます。
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