体系的番号 |
JPMJER9601 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9601 |
研究代表者 |
井上 佳久 大阪大学, 工学部分子化学専攻, 教授
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研究期間 (年度) |
1996 – 2001
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概要 | 医薬などキラル化合物のニーズの高まりを背景に、光を用いる新規不斉合成法の開発と、光不斉反応を制御するための指導原理の解明を目指した。その結果、円偏光のみを物理的不斉源とする絶対不斉合成では Bonnerらによる「宇宙におけるホモキラリティー創成仮説」を支持する知見を得、また、多光子過程を利用した絶対不斉合成にも成功した。光不斉増殖系では、「光不斉反応の多次元制御」による光学収率の飛躍的向上(従来の7%から100%を達成)と「光不斉反応のエントロピー制御」という新概念を提案した。超分子を用いる光不斉合成でも、最高41%の光学収率を得るとともに、キラル化合物の絶対配置の新決定法の開発に成功した。これらの成果は、従来のエンタルピー化学から、弱い相互作用を制御するエントロピー化学への発展とその応用に結びつくと期待される。
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