体系的番号 |
JPMJER9804 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9804 |
研究代表者 |
近藤 寿人 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授・センター長
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研究期間 (年度) |
1998 – 2003
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概要 | 1個の受精卵から体ができるまでの発生のプロセスは、細胞間の相互作用がくり返され、そのたびに新しい分化が誘導されて次の相互作用をひきおこすという連綿としたものであり、また柔軟性に富んだものです。細胞分化とその誘導の分子機構について、それらの基本的なモチーフと変容、そのモチーフをちりばめるプロセス全体の骨格を明らかにする研究を展開しました。メダカなどの小型魚を用いて発生にかかわる多彩な突然変異体を沢山つくり、それらを手がかりとして個々の分子機構とプロセスの全容を明らかにする挑戦です。分化機構の主要モチーフである Wnt 蛋白質を介した細胞間シグナルについては、分子生合成から分化制御に至る一貫した研究を実施し、また発生の柔軟な性質を反映する組織再生機構の研究では、トランスジェニックイモリなどを使った新しい研究を行いました。これらの研究成果は特に脳の領域形成という具体的な課題の中に結実して、新しい発生像をもたらしています。この発生像は今後私達の健康の諸問題にも貢献することを期待します。メダカという日本で育まれた実験動物を駆使して新たな研究を展開できたのも、ERATOのプロジェクトに相応しいものでした。
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