体系的番号 |
JPMJER9901 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER9901 |
研究代表者 |
黒田 玲子 東京大学, 大学院総合文化研究科生命環境化学系, 教授
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研究期間 (年度) |
1999 – 2004
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概要 | 「カイロモルフォロジー(chiromorphology)」は、chiral(左右非対称性)とmorphology(形態)を融合させた造語で、ミクロからマクロへの形態形成のプロセスをキラリティーという切り口で探るという新しい概念を表現しています。分子カイロモルフォロジー研究では、従来、不可能だった固体状態でのすべての偏光現象を測定できるUniversal Chiroptical Spectrophotometer(UCS)2 機種を開発し、それらも駆使して、固体状態におけるキラルな環境の創生、反応、結晶化制御、キラリティーの識別と転写等、固体状態でのキラリティー研究への道を開くことができました。生物カイロモルフォロジー研究では、胚発生のごく初期に母親の遺伝子で決まる巻貝 L.stagnalisのキラリティー決定機構の解明を目指しました。その結果、らせん卵割過程において遺伝的に決まる右巻胚に特徴的な細胞骨格ダイナミクスがキラリティー決定に重要であり、左巻胚とは鏡像対称にないという、従来の定説を覆す発見をしました。
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