体系的番号 |
JPMJER0002 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER0002 |
研究代表者 |
今井 浩 東京大学, 大学院理学系研究科情報科学専攻, 助教授
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研究期間 (年度) |
2000 – 2005
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概要 | 本ERATOプロジェクトは2000年に「量子計算機構」という名のもとに、量子計算・量子情報処理への期待と新分野に挑戦する人が終結し、この将来をささえる新情報技術基盤の研究・技術開発を遂行することを目指して発足しました。その結果、量子計算・量子情報処理の分野で多くの重要な成果を挙げることに成功しました。 たとえば、従来のコンピュータでは不可能であった、確率1でリーダーの選出を行う問題について、それを可能にする量子計算を用いたアルゴリズムの性能の評価を行いました。また、量子計算機は量子回路の組み合わせからなるものですが、その回路図の設計指針を与える研究を行ないました。そしてどのような問題で量子計算機が従来の計算機の性能を上回るかについて研究しました。 また、量子計算機が実現した場合、現在の暗号システムが解読可能となることが知られています。そのような状況でも安全となる量子暗号に注目し、その150kmの伝送実験を行ないました。理論面では量子暗号においてノイズに紛れた盗聴を不可能にするための符号化法について研究しました。 さらに、これらの量子効果の源泉である量子エンタングルメントの定量化についても研究し、このテーマと量子状態を用いた通信との関連を明確にしました。同時に、生成されたエンタングルメント状態の精度を検証する方法について研究し、その最適化にも成功しました。
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