研究代表者 |
工藤 俊章 独立行政法人理化学研究所, 環境分子生物学研究室, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2003
|
概要 | シロアリ-微生物共生系が熱帯地域の物質循環(バイオリサイクル)に重要な役割を果たしていることに着目し、これを解明するため、本研究プロジェクトは、タイのカセサート大学との共同研究として実施しました。日本側の研究拠点である理化学研究所におけるシロアリ-微生物共生系の主として分子生物学的手法による解析と、カセサート大学内に設置された実験室を拠点とする熱帯フィールド研究を組み合わせることにより、シロアリを対象とする新しい総合科学的な取り組みを進めました。 本研究は、1)熱帯生態系におけるシロアリ生態系の生態学的解析、2)シロアリ-微生物共生系の構造と共生機構の分子レベルでの解析、および3)バイオマス利用のためのシロアリ共生微生物の探索、の3つの視点から多角的に行い、微生物学、昆虫学、生態学等の幅広い領域にまたがる多くの新しい成果を上げました。今後、これらの成果がさらに発展して、地球上の様々な地域におけるバイオリサイクルシステムが明らかになり、また未利用バイオマス資源を効率的に利用する技術の開発にもつながることが期待されます。
|