研究代表者 |
大谷 俊介 電気通信大学, 電気通信学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1996 – 2001
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概要 | 多価イオンは、近年になって、にわかに注目を集めるようになった新しい粒子であり、電子をまったく持たない裸になった重イオンや電荷数の極めて高い多価イオンは、中性原子や低価数のイオンにはない著しい特徴を持っています。本研究では、高エネルギー・高密度の電子ビームを用いて多価イオンを生成するとともにそれを長時間保持する装置(EBIT)を製作し、(1)多価イオンの精密分光、(2)電子と多価イオンの衝突過程の研究、(3)多価イオンと固体表面の相互作用の微視的理解を行うことを目的とし、イギリスとの共同研究を行いました。 強制的蒸発冷却法と呼ばれる新しい手法を用いて、イオンの価数当たり10eV 程度にまで冷やすことが可能になり、これは世界最高レベルであり、他所では不可能な研究を可能にしました。また、多価イオンを固体表面に当てた場合の微視的構造変化に関する研究は、今後表面加工などに応用される際の基礎的知見となることが期待されます。
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