研究代表者 |
渡辺 恭良 大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 部長
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研究期間 (年度) |
1992 – 1997
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概要 | ポジトロン標識化合物を用いて、サブフェムトモル(10-5モル)領域の極微量物質の定量をポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)によって動態的に行い、分子レベルでの生物情報伝達機構の解明を目指して、スウェーデンとの国際共同研究により進めました。 ポジトロン核種(11C、13N、76Br など)を用いて、有用分子に標識する方法論を開発することで、50種類以上の標識化合物を新たに作成し、生きている脳の切片を用いた「インビトロPET 法」という新しい評価法を開発することができました。色、時間感覚、におい、睡眠、発熱などに関する脳内の情報処理担当部位を明らかにするとともに、小児自閉症における治療前後のドーパミンD2受容体レベルの変動を見出すことができました。また、慢性疲労症候群において、細胞内のエネルギー生産に関わる物質であるアセナルカルニテンの取り込みが、脳の前頭前野で低下していることを明らかにしました。
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